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スウェーツピアノ修理

昨年末から夜なべして少しずつ修理していた得体の知れないオールドピアノ。ようやく仕上がり現地にて調整作業をしてきました。



Chas.Thwaites & Co 鍵盤蓋にはこう印されています。



今になって正確なつづりも判明しましたが、当初はなんて書いてあるのかわからず素性を調べるのに手間取りました。

このピアノの正体はなんとスウェーツ商会と言う明治から横浜の居留地にあった楽器商のブランドでした。

ピアノ業界ではドーリングピアノが名が知れているのですが、その同じ時代にモートリー商会と並びスウェーツ商会も横浜で名の知れた楽器商であったようです。



山葉さんや西川さんがピアノを製造する前の話、横浜の外国人居留地から西洋の楽器洋琴(ピアノ)が輸入または製造?されていた。

今回のピアノもそのときの一台のようですが、内部のどこにもYOKOHAMAの文字がないので輸入品である可能性が高そうです。
 
紙パンチングに使われていた紙も英字が印字してある新聞かなにかのもので、イギリス?での製造なのかなと思われます。



当時ピアノを買えた人と言うのはしかるべき地位のあるかたかと思いますが、この持主のかたの家系もそのような流れで代々ピアノが受け継がれ名古屋の地へ落ち着いたようです。

お子さんが小さい頃は弾かれていてメンテナンスもしていたようですが、そのうちさすがに調律師もサジを投げそのままになっていたようです。
最初鍵盤を押しても出る音のが少ないくらいの状態でしたが傷んだ部品を修理しなんとか音が出る状態へできました。





予算の都合上オーバーホールなどはできず既存の部品を使う方向で修理を進めてきましたが、素性がわかりオリジナルの部品を極力残す修理をしていて良かったと思いました。













横浜歴史博物館に一台展示があるようですが、日本に現存するのはおそらく数台とか言うものかと思うと資料的な価値があるのではと思います。

日本のピアノ文化の始まり、西洋文化が花開いていた横浜を感じるようなその音色、これが驚くほどよく鳴るのです。

100年ほど経っているとは思えません。響板はヒビだらけなのにしっかりと鳴っています。

調律中に弦が何本も切れたり、まだまだアクションの調整箇所もあるので後日改めてお伺いする事となりました。

その時に音が録音できたら復活した音をお聞かせできるかと思います。



横浜市歴史博物館のホームページにスエーツピアノの記載があります。
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2003/54/
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テーマ : ピアノ    ジャンル : 音楽


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プロフィール

Masayuki Saraie

Author:Masayuki Saraie
SARA PIANO

珈琲とピアノと猫をこよなく愛する

ピアノ調律師 更家雅之


楽器が求め、演奏者が求めるベストな状態へ

音の職人、更家雅之の日記や想い

ピアノや音楽、日常を通して出会う人たちとの 交流から日々考えさせられ思ったことを、日記を中心に更新中。


音楽はどんなジャンルでも大好きで聴くこと演奏することが趣味

音楽と歩んできた人生、辛い時、楽しい時、そばにはいつも音楽がありました。音楽によって救われた時期も。

そしてピアノを弾くと心が落ち着きます。

近年、調律や音楽が心に及ぼす影響を研究中。

音楽は心の世界への扉 、そして心そのもの。


ピアノ、音楽を通してこの時代に”心豊かに生きる”を実践しています。

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