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Music life

sarapiano 音楽を通して心豊かに生きる

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ベーゼンドルファー280VC ・スタインウェイD274

東京の大野ピアノメソッドにてスタインウェイD274の調律。
今回いつもと違うのはD274の横にベーゼンドルファー280VCがあると言うこと。先日ウィーンより運ばれて選定されたと言う一台。

調律前に納品したての音を聴かせていただき新たな音の世界を知る事ができました。

このベーゼンドルファー の新型モデルであるVCシリーズ。これまでのベーゼンをベースに従来足りなかったものがプラスされたと言う印象。

ピアニストにとって大切な事は自分の表現したい音が出せると言うこと。そのためにアクションの状態が敏感、繊細でなければならない。

この点については現代のピアノはその均質性や重量調整において昔のピアノとは段違いに性能アップしているのは間違いない。

しかしそうは言ってもベーゼンドルファーはベーゼンドルファーであり、従来から思われている弾きこなすのが難しいピアノである事は間違いないと感じました。

逆に言えばベーゼンドルファーを弾きこなしてコントロールできるのなら他のピアノを弾きこなす事も可能に、そしてより繊細に弾く事ができると言う事だと思う。

それだけ繊細にポイントをついて打鍵しなければならないとピアノを前にして大野先生がおっしゃってられた。具体的には浅いポイントと言う表現になるのだけれど、鍵盤の浅いところでいかにエネルギーを加えるかと言うことになるかと。

先生の奏でるチャイコフスキーの言葉にできないその響き。これは確かにスタインウェイでは出ない。

それをするためには意識だけの問題ではなく必要な筋肉や手の支えができているか等、一朝一夕にできる事ではない事が理解できる。

逆に言うとこれまでどう弾いてきたかが明らかになってしまう事でもある、、

私ごときではそのような音は到底出ず、たちまちのうちに名古屋にあったベーゼンで弾いたようなモコモコした響きとなってしまう。

この卓越した世界を楽器製作者や調律師が容易にできるわけもなく、そこに演奏家との溝ができる。

製作者が思う最高のピアノを造ったとしても演奏家には受け入れられない事があるのはその点であって、楽器は演奏家、音楽のためにある事を忘れてはならない。

調律に至ってもそれは言える事で常に演奏家からフィードバックをもらいそれを音にできなければすれ違いは埋まらない。
音楽を理解する事なしに調律などあり得ない。

スタインウェイのフルコンサートグランドをお持ちながら更に新しい世界を求めていく妥協なき姿勢、まさに芸術家とはそうあるべきと言う姿を感じる。

フルコンサートグランドに存在する音の世界、D274がレッスン室に届いた時そう感じられ新しい音の世界が拓いたと以前大野先生はおっしゃってられた。

ベートーヴェンが楽器の進化と共に新しい作品を書き上げていった事もあり演奏家と楽器、お互い影響を与えながら良いものができていくのだろう。


D274はスタニスラフ・ブーニンの東京のお宅にて弾かれていたと言う、選定された格別な音のする一台。こちらも変わらず素晴らしい一台である事は間違いない。

フルコンサートグランドを2台、しかもベーゼンドルファーの最新モデルとスタインウェイのフルコンサートがあるところは世界中どこを探してもないかもしれない。

なかなかホールでその本領発揮された音を聴く事ができないベーゼンドルファー。これからウィナートーンを聴ける事が増えてくる?!ことが楽しみになってきた一日でした。




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意識が向いている事の重要性

この時期は学校関係の調律が入ってくるのでそれに追われる日々となる。

保育園のこどもたちがちょこちょこせわしくなく動いていてかわいくてかわいくて、見てるとほんとうにこどもは宝だなぁと思い癒される。

たわいのない会話にどんな世の中であっても元気なこどもたちからパワーをもらえます。

今年度はお歌を歌えなくてピアノがほとんど使われていないとそれぞれの園の先生がおっしゃっていたのが悲しかったですが、、

ピアノの後ろには節分で使ったと思わしき豆が出てきました。去年のものですね。掃除機でしっかりお掃除。

楽器もしっかりメンテナンスして綺麗にしていると大事にされる。

それになんだか全体的に生き生きとしてくる。

それとは逆になんでも放置してると荒れてくる。
しかも荒れるスピードと言うのはあっという間な気がする。

最近潰れたパチンコ屋とかよく目にするけど駐車場草ボーボーで建物も錆だらけで、先日まで華やかな感じだったのに、と思う事多々ある。

モノであっても人の意識が向くか向かないかは重要な事だと感じる。

そして自分が調律したあとはやはりやりやすいし音も安定する。前任者が自分と違うポイントで合わせる感じだとピアノも元に戻ろうとするのでその癖がなかなか自分のものにならない。

最低でも3回はやらないと自分のほうに向いてくれない感じはある。ピアノは人工的だけど半分生き物と言う感じですね。

春の訪れをなんとなく感じる寒い冬の一日でした。




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東京でのフルコン調律記

気付いたら7月が過ぎさり8月も半ば。

さてなんだかいろいろとあり過ぎて何から書いていいのやら言う感じですが、少しずつ順を追って書いていきたいと思います。


日々のできごとはなるべくツイッターなどでもつぶやいてますので、こちらはそこでは書ききれないことを。


夏はお祭りシーズンでもあり津島の天王祭りや岡崎の花火などいろいろとネタになるようなことはありましたが、先月の末にとても記憶に残る出会いがありましたので忘れないうちに記しておこうと思います。




その日はいつものように外回りを終えて昼からは工房のほうで作業をしていました。

するとピアノ仲間のぶこさんからメールが…


なんでもぶこさんが東京でレッスンをうけたりしてる大先生がピアノについて聞きたいことがあるとのこと。

mixiでもつながっているかたで一度だけ名古屋にもこられたことがあり、そのときにはそのオーラの強さに存在感ありありなかたでした。


男性でプロのピアニストを指導されていて海外の著名なピアニストからの系譜をひくピアニストでもあるかた。

最近スタインウェイのフルコンサートピアノD型をご自宅に入れられたことは日記等で知っていたのですが、そのようなかたからピアノについてのアドバイスを求められるとはどういったことであろうかとドキドキでした。



まもなく先生から直接電話がかかってきてやりとりが始まりました。

内容は詳しくは書けないのですが、ピアノの音に対しての悩みでした。


いろいろとお話を聞いていたら結構深刻らしく、私も自分の経験と知識からできる限りのことをお話。先生の音色に対するお話は理解、共感できることが多くスムーズに話が進みました。


そうしていたら突然今からこっちこれない?とのお言葉。

えっ?!と一瞬耳を疑ったのですが…


名古屋からなら1時間半くらいだし、ご自宅は東京駅からタクシーで5分ほどのところとのこと。

そうは聞いても次の日も朝から仕事が入っていたのでさすがに厳しいと一度はお断りしました。
そしたら先生は気が変わったら電話してと言い残し切られました。



うーん、これは困ったことになったとちょうどその日工房にきていたしんちろさんとくわさんに相談。

おふたりは、なにしとんの早くいきゃー(なにしてるんだ、早く行きなさい)と言ってました。加えて後日関東地方に行く予定もあったのでそれに合わせたらどうだとの提案も。。


とりあえず大先生のほうに電話をしてその旨を伝える。

関東に行くのが10日ほど後だったこともありさすがに待てない様子。そりゃ限界ギリギリ我慢の限界を越えて相談してきてるわけだから待てるわけないと思いその日に行くことを決めました。


自分がその立場に置かれたときに毎日弾くピアノの音がしっくりこなかったらノイローゼになるくらいの気持ちが痛いほど伝わってきたのです。しかもピアノを生業としていてプロのかたならなおさら。

演奏会などでもピアノの音がいまいちだと途中で帰りたくなります。それをカバーする演奏であるならまだ我慢できますがそれもいまいちだったり興味ないプログラムだと地獄のようです…


そういったこともあり急遽都市高速で名古屋駅に向かい、工具カバンひとつで新幹線に乗り込みました。


ほんとに乗ってしまえば近いものでまもなく東京駅へ着。

新幹線に乗っている間の時間は自分にとってはとても有意義なものでした。いつも車ばかりなので何も考えずに乗っているだけの電車でぼーっと瞑想状態になれたのはとても幸せで癒され心の準備ができたのです。


さて八重洲口を出てタクシーに乗り込み指定された住所をつげるとまもなく到着。


玄関のピンポン押すまでに名古屋から2時間ほどだったでしょうか。気持ちはいつもの訪問調律と変わらないような感じ。

でも大先生の出迎えをうけてお弟子さんたちのお顔を見たときに東京まできてしまったんだなと実感。


たくさんのネコちゃんたちにも歓迎?されてご満悦。まためちゃくちゃカワイイ子たちばかり。僕の好きなネコちゃんの品種と顔立ちでした。



図々しくもお弟子さんたちの手料理をいただきながら先生とまずはお話を。途中CDで音源を聴かせてもらいながら求めるものを確かめる。

先生がこれなんだよね、これはいまいちなんだよね、と言うのがよくわかる。まさに音で会話しているような感じだった。電話で話していたような理解ができ、これならなんとかなるかもと思いはじめてた。


夜も0時近かったけれどレッスンルームは完全防音になっているため音出し可能とのこと。周りを気にすることなく集中できる空間で中に入りドアを閉めると別空間へ行ってしまったかのような空気になる。


その中で先生とスタインウェイD型を前に音色について濃い話をした。

このスタインウェイ&サンズ社のD274はある世界的ピアニストの東京の自宅に置いてあったもので先生が一ヶ月前ほどにご購入されたとのこと。

その間に3人の調律師がきて調律したのですが、いろいろあり今回私が調律することに。


先生の言われたことでまず印象的だったのが、ピアニッシモで和音を押さえ弾いたときに出る”倍音”が出ていないと言うのが気になるとおっしゃったこと。

そういったことを演奏者から言われたことは初めてだったので少し戸惑いましたが言わんとしてることはわかったし、そこまで言われることに嬉しくもなりました。

それほどまで音色を聴いている人はそうはいないとまで思っていたし、聴ける人もほんの一握りの演奏者、調律師とさえ思っていたのでそういったかたが目の前にいるのは喜びでした。


先生はあのフワッと出る感覚とかピアノそのものの音とは違う音の層のことをおっしゃっていて、倍音の混じりあったあの和音の音のことを言っているのだと感覚で理解しました。


よく調律師同士の話のなかでピアノの先生や演奏者は感覚でお話をするので理解できないと言うことを言われるかたがみえます。

調律師と演奏者がすれ違うよくあるパターンで、技術者志向タイプの調律師に多い事例です。芸術家であるピアニストが何を言っているのか理解ができない、音色にそんなに違いがあるわけでもないし抽象的過ぎてもっとわかりやすく言ってくれと言うものです。


これは音色に対する感覚を磨いていないと対応できないと言うことです。

演奏者と同じくらいの音色に対する感覚が研ぎ澄まされてなければ言っていることがわからないのは当然のことで、それはただ調律などの日々の業務をしているだけでは身に付けることのできないものなのです。


それら音色に対する考えや感覚を聞いて調律スタート。前回の調律でいけてない状態のときのヤマハピアノの音のようになってしまっていたので、それらを修正しながらの作業。

調律は前回の人が自分と違うタイプだと苦労します。ピンのまわしかたやとめかたが全く違うので・・

フルコンサートと言うことで調律もし易いはずなのにいつもよりかなり時間オーバーして終了。



大先生に弾いてもらう。

最初例の真ん中あたりの和音をピアニッシモで弾かれた。



緊張の瞬間。



「出てるじゃん。」




その後、バッハから入り、モーツァルト、ショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフと年代を経て様々な作品を弾かれた。

最初のバッハから圧倒。その演奏は一言で言えば音色のかたまりに包まれ、生き生きとした古くさくないまさに瑞々しいバッハ。


ショパンを弾かれたときには何か違うとおっしゃられる。思うとおりの音色が得られていない様子。


そしたら弾き方を変えてみるとのことで再度トライ。

こっちだったとのこと。一緒に聴かれていたお弟子さんたちも頷いている。


そして最後にロシアものを弾かれた。それはまさに真骨頂で意識が飛びそうになった感覚を覚えている。
異次元空間へ連れていってくれるかのような感覚。チャイコなどはメロディはとてもシンプルな単音なのにピアノが鳴る鳴る、響く響く。倍音の塊に包まれて動けなくなるのだ。

けっこう長い時間弾かれて、レッスン室全体に広がる音色のシャワーに作業の疲れもすっかり癒された。


ピアノの音色がここまで多様に、色で例えるなら何十色ものカラフルな色が出てくると言う感覚に驚いたのを覚えている。加えて自分の調律でここまで音色を引き出してもらえてると言うのは新しい発見でもあり喜びだった。


実は最初先生がスタインウェイのフルコンサートグランドを買われたと聞いたとき、自宅で弾くには音が大き過ぎるのではと思っていました。


しかし今回間近に聴いてみて、それは自分のまったくの思い込みであったと思わされました。

音の洪水になってうるさいことは全くなく、まとまったひとつの音楽として長時間聴いていても疲れないものだと実感したのです。
それは演奏のしかたによるものが大きいのかもしれませんが、少なくともフルコンサートグランドがホール専用のものと言う考えは消え去りました。

しっかりと音色をとらえて無駄のない演奏をすればやかましい音の洪水になることはないと言うことです。


それでかつ、先生の奏法ではピアニッシモもフォルテもホールの隅々まで届くあの音色が実現できるのだと実感しました。

スタインウェイの特約店に勤めていたころ、先輩のいちやんさんに連れられて初めてキーシンの演奏を聴いたときのあの感覚。3階席にも明確に届くピアニッシモ。ピアノを超えた音色を出すあのフォルテ。


長年追い求めた音色の秘密がそこにはありました。


人は宇宙の真理に従って生きれば必要なものが必要なときに手に入り、追い求めているものも自然と入ってくると言いますが、そのときほどこれを実感したことはありません。



その後も朝までお弟子さんたちとともにロシアのある流派に伝わる奏法についてビデオを見たり先生の説明を受けたりしました。

世界にはいろいろなピアノ奏法、流派がありますが、現代のピアノの性能をフルに発揮することができる奏法はこのロシア奏法であると言えます。

そして最も合理的に無理なくピアノを鳴らすことができるのだと思われます。それでキーシンなどはプログラムのあとのアンコールで10曲も大曲を弾くことができるのかと納得しました。

現在世界で活躍しているピアニストのなかにもこの奏法でピアノを鳴らしているかたが見えるというのをお聞きしし、それ以外でもあまり世に知られていないような素晴らしいピアニストがいると言うことも知ることができました。

いいものと言うのは世に出ないと言うことがよくありますが、まさにそのいい例です。今の世の中では商業的に成功することと”本物”とはまた別物なのです。


これはどの世界・業界にでも当てはまったりすることなのですが、そろそろシフトチェンジしなくてはならない問題です。無理にシフトチェンジしなくてもそういう時代になってきているのでいいのですが、偽者やごまかしなどはもう通用しなくなってきています。
ピアノで言えば耳のよい人も増えてきているし、内容のない音色や演奏は説得力に欠け見向きもされなくなってきているのです。

ネットやテレビなどで情報が共有される社会になったこともあり、表面だけの言葉や虚勢などすぐに見抜かれてしまいます。調律やピアノ販売の業界でも本来の仕事である技術をきっちりやってきたような会社がここにきて伸びてきているのを見ても明らかです。

逆に販売を主に売ることだけを考えてピアノや音楽に対して真剣に向き合ってこなかったところはこれからもどんどん錆びれていく運命です。


先生の音色や奏法に対しての想いやこれまでの勉強のご苦労を感じたとき、とても共感を覚えたし生半可なものではなく、この奏法を身につけるには相当の覚悟と勉強が必要だなと感じました。


アマチュアの趣味のピアノ弾きにはあまり関係のない話に聞こえるかもしれません。しかしこの世界に足を踏み入れその音色を聴けるようになったとき、大いなる感動と喜びの世界が待っています。それはただ単に難しい曲や弾きたい曲が弾けたときの喜びとは異なる、魂からあなたの心が喜ぶ次元のあがった喜び、楽しさです。

そのように弾けるようにならなかったとしてもその音色を聴けて楽しめる耳を手に入れるだけでも価値のあるものでしょう。


大野ピアノメソッド









このような機会、きっかけを与えてくださったピアノ仲間のぶこさんに感謝するとともにこのように道は敷かれていたのかと改めて気を引き締め思うのでした。


御茶ノ水駅
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うみとそらレンタルピアノサロン、調律完了

ピアノサロン”うみとそら”にてピアノ調律をしてきました。


ピアノサロンうみとそら
ピアノサロンうみとそら posted by (C)sarapiano


今回はディアパソンとヤマハのグランドピアノ2台一緒に調律でき、これで時期が揃いました。2台ピアノがある場合は同じ時期にしたほうがなにかと管理の面でベストです。

ディアパソンを調律
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ヤマハG2調律
ヤマハG2調律 posted by (C)sarapiano


ディアパソンピアノのほうは今回音の変化を見てハンマーを調整し整音と呼ばれる作業を念入りにしました。2台ともまだまだよくなる余地はありますが、今回の作業は満足いくものとなりました。

年末の2台ピアノのイベントにむけて活躍してくれることと思います♪


演奏動画も撮ったのですが、とても公開できるしろものではありませんでしたので、短いですがこちらをどうぞ。






5時間ほどのびっちりな作業でしたが、終わってから音を確認がてら少し弾かせてもらいました。

ピアノ演奏のほうは、まだまだです・・・・・


暗譜をすることの重要性を改めて認識。


オーナーのえみさんにも聴いてもらえ、この段階で人前で弾けたことはかなり大きな経験となりよかったです。

明日からの課題が見えました!


うみそら備品
うみそら備品 posted by (C)sarapiano


サロンはおしゃれな小物も増えて更にいい雰囲気。いただいた珈琲もいつもながら美味しかったです(^^


うみとそらレンタルピアノサロン


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大都会と大自然のなかで

気付いたら9月になって一度もブログを更新していませんでした。。。汗

まだ暑いので夏が終わっていないような気がしますね。
でももうそろそろ気候も変わってきそうでいよいよでしょうか。はたまた台風などの襲来で落ち着かない日々が続いたりするのでしょうか。


8月の後半もバタバタと充実した日々を送ってまして、9月に入り妻のお腹も臨月とのことでまだまだ気の抜けない日々が続きます。どんな子に会えるのか楽しみです。


書くこともけっこうたまってて時間見つけて書こうなんて思ってますが、特に先月に行った自由演奏会が楽しかったです。
クラリネット弾きのうみにんさんにお誘いいただき伊賀まで遠征してきました。世界的にご活躍されている指揮者のかたの指導が受けられ、かつ自由に弾いていいと言うイベントで楽しいです。

毎回知らない人ばかりですが、それがまた刺激になったりします。トランペットもかっこよく吹けるようにぼちぼちやっていきたいですね~



さて9月に入り先週は東京~伊豆へとお仕事がらみで行ってまいりました。

もともと東京での調律師の集まりがあり、それに合わせる形で伊豆でのお仕事を組ませていただきました。


当日岐阜での仕事を終えてから工具をしっかりと持って昼前に高速に乗り向かったのですが、いきなり豊田のあたりで渋滞・・

下道をうろうろとし岡崎ICまで行きまた高速に乗りました。が結局”急がばまわれで”そのまま降りずにいたほうが早かったかもと反省。


その後途中まで順調にきてたのですが、台風の影響で沼津から先が通行止め。

途中で強制的におろされてしまいました。おりる手前で雨がものすごい勢いで降りつけ、ワイパー全開でも前が見えない。渋滞もひどくてそれがかなりの時間続いたため精神的にまいりそうになりました。

まわりが見えなく閉じ込められたような圧迫感を感じ不安になり動悸も早くなり、改めて自分は閉所恐怖症かなにかそんなものがあるんだなと思いました。最後は気を強く持って乗り切りましたが。



とりあえずナビで検索し、横浜の友人に電話したりして道を聞き箱根の山を越え小田原厚木道路で東京へと向かいました。
箱根の山越えはかなりハードでいい経験ができました。12キロの下り坂はブレーキ故障のための脇道などありすげー道があるもんだと思いました。


そんなこんなでずいぶん遅れて会場の神田駅の居酒屋に着いた時はみんなできあがっておりました。

日本酒2升あいたのにはびっくりです。

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ヤマハ系技術者の集まりだったのですが全国から集まりいろいろなお話を聞けました。

先輩のかたが多いのですが、大先輩の成功されているかたから調律業務についての秘訣を聞けそれがとてもタイムリーでした。

人からはよく見られる調律師の影の涙ぐましい苦労。何も苦労ないように見えるこのかたもやはり血のにじむような努力をしてこられているのだなと思わされました。そのようなことを日々しているとは想像もできなかったのですが、どんな世界でも成功する人は見えない努力をしているものです。

宴席には思いがけず世界をまたにかけ活躍されているコンサートチューナーのSさんも参加されていました。

以前フランス人ピアニストのパトリシア・パ二―さんのピアノレッスンを受けた時、優秀な技術者としてSさんの名前が出て納得したものです。

緻密で細かい調整は日本人技術者の得意とするところ。パ二―さんもそれを認めていて、日本の技術者がトップ水準ならばSさんは世界的にも調律師としてはトップレベルなんだろうと思う。

ピアニストからみてピアニシモを出しコントロールする技術はヤマハピアノがナンバー1とおっしゃってましたが、それはヤマハピアノのアクションの優秀さをみれば納得できます。



次の日は二日酔いのメンバーともどもそのSさんの案内でヤマハ銀座店の中を見ることができました。

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カツァリスの後ろにSさんがいました。


8階のヤマハホールへ案内されると中では男性のかたがショパンコンクールのために練習中とのこと。なんとラッキーにもそのかたの演奏で新機種のコンサートグランドピアノ”CFX”の音を聴くことができました。

ヤマハホールは天井がとても高い設計で反響板を自由に調節できるため理想的な音場が作り出せるとのこと。
たしかにピアノを聴く空間としてはちょうどよい大きさでベストに感じました。

CFXの音色は率直に素晴らしかったです。もちろんそのためのベストな空間で聴けたと言うこともありますが、聴き入ってしまいました。全体的な音のまとまりやバランスがよく、ひとことで”よかった”です。


そのヤマハホールの上には大人のピアノ教室が3階にわたりあるとのことで見せてもらいました。

あのホールの空洞の空間の上に更に音楽教室が3階にわたりあるなんてどういう建物の作りをしているのだろうと不思議に思いました。

大人のピアノ教室はとてもスタイリッシュで眺めよく上に続く階段などのこった作り、座ってくつろいだり飲み物を飲めたりと大人がリラックスできるものになってました。

銀座に通い音楽を習うと言うのはステータスみたいな感じになるのでしょうか。それは銀座ならではと感じました。ここは見学してみるとおもしろいです。

写真はホームページにあります。

ヤマハミュージックアベニュー銀座

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銀座店の横はH&M。


ひととおり見てからビルの裏にあるアーテイストサービスへ移動し中まで見せてもらえました。

ここは技術者の拠点やピアノ保管室兼ピアニストが練習する部屋などがありました。

ビルの外にはロンドン、パリ、ニューヨーク、モスクワ、ソウル、北京、上海、台北と書いてあったのでそれぞれの都市にあるのだろうと思います。

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部屋の中では男性ピアニストのかたが練習されていました。フルコンサートグランドが5台ほど置いてあったように思います。ソファや家具などもあり落ち着いて弾ける雰囲気です。

一般には踏み入れることができない空間でしょうけど、ピアニストのかたには最高の練習場所ではないでしょうか。




その後はみなとわかれてからちらっと建設途中のスカイツリーを見に行き、夕方には約束していた知人と合流しました。

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完成予想図


知人の所属する渋谷の事務所の一角で”失敗の力”と言うセミナーを受けたのですが、大きな気付きがありました、それはかなり濃い内容なので別の機会に書こうと思います。


東京へくるといつもその広大さに驚かされます。中心が建物のかたまりでこれでもかと言うくらいでかい建物が続き最後は疲れてくるのですが、更に驚くのは都市がどこまでもどこまでも広がっていると言う点です。

いつもたいてい車で動くので都市圏の全景がよくわかり、郊外へ走らせるといつまでも街が続いています。東西南北問わずです。多摩市や川崎市や横浜など東京から離れていってもえんえんと都市が現れるイメージです。家や建物がところせましと密集してます。

集中的に中心が大きい建物があり東京以上の高さのビルがある都市は世界にあるでしょうが、その都市の広がりと密集と言う点では他の都市と比べて桁が外れているのではと思います。

名古屋圏も大きな都市ですが、西へ走らせると30分もすればわが津島市へ到達し田園地帯が広がってます。それにくらべ関東圏は息が詰まるような隙間のなさを感じます。


NYや上海などが東京と同じような大都市でしょうが、それぞれ都市の形態としては違いがあるのではと思います。10月に上海に行くのですが、車で動けない点が残念です。




東京でのひととおりの用事を済ませ3日目は伊豆へ向かいました。伊豆は観光地として有名ですが、今回初めて踏み入れました。

さすがに伊豆半島までくると見慣れた風景になってきて気持ちも落ち着いてきました。雰囲気としては愛知の知多半島に似てます。海岸を走っていくと海水浴場やホテルなどがあり知多にきたみたいだと思いながら向かいました。

目的地は伊豆の奥地にある会員制の宿、時空庵。

クラブハウスリゾート時空庵

こちらのピアノの調子がおもわしくないとのことでご依頼いただきました。

行きに使った箱根新道を再び越え更に海外線を走り山道を登った先に到着。

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前が見えないほどの濃霧

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まわりには何もなく山の中の隠れ家といった別荘。まさにホームページの想像どおりのところでした。


都会で疲れた心をリフレッシュしてくれる空間と言った雰囲気。


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時間の流れがゆっくりとしていて、客室にはテレビなどもなく自然のなかでの時間を持つことができます。

そんな時間がとても贅沢なものに思えました。


滞在しいつしか都会の生活のなかで余裕を持って生きることができなくなっている自分に気付きました。

便利なものに囲まれて生きていることが必ずしも幸せなことではなく、何もないところで最低限のものに囲まれて暮らす生活が実は幸せなことなんだとそんなことを感じました。

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海が見えきれいな日の入りが見れました。ハワイで見た以来。


ピアノのほうはお聞きしていたようにアクションの動きが悪く音が出にくい状態でした。

なんと土蜂の巣が内部にできてしまうような環境で、その跡を掃除したりしいろいろと原因を探っていくと湿気の影響と言うことがわかってきました。

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蜂が直接の原因かはわからないですが以前に鍵盤を修理したとのことでそのあたりも注意深く見ながら分解しピンを磨いたりしていきました。

そして一番の原因であるハンマー部分のセンターピンと呼ばれる部品を交換し、動きがスムーズになるようにしました。これは長年にわたる湿気を受けたことが原因でなる症状で、最近は特に霧が発生したりと山の環境ならではの状況が関係していたようです。

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こちらでピアノを弾いてられるTさんに管理面でのアドバイスをし様子を見ながら少しずつ修理なりをしていくことにしました。修理個所を直してもまたすぐになってしまうようでは意味がないので、そうならないための管理が一番大事になってきます。

Tさんはこのピアノのことをとても大事に思ってられて、ご自分で勉強などして熱心に聞いてくる姿勢に感心しました。このようにピアノと言う楽器に対して興味を持って勉強されることはとてもいいことだと思います。


調整、調律が終わり弾いてもらいましたが、ラウンジで流れるような自分の理想とするようなピアノでとてもよかったです?
この空間と言い音楽と言い、自分の夢に思っていたことは目の前に現れるもんなんだと実感しました。

夜真っ暗になり寂しいかなと思ったのですが、騒がしいくらい賑やかな虫の音や宝石箱のような満天の星空はそれを忘れさせてくれました。

オーナーさんの手料理がとっても美味しく、ファンになる人が多いと聞いて納得しました。夕食は食べたことない味のおいしいパスタやサトイモの料理、朝食は色とりどりの和食ですっかり満たされました。

宿泊する人にとっては美味しい食事と自然のなかで何もしなくてもぼーっとすごせるのも魅力なんだなと思います。

こちらへはまたお邪魔したいです。長旅の疲れがすっかりと癒え帰ることができました。

今回お会いできお世話になりましたかたがた、ありがとうございました。


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プロフィール

Masayuki Saraie

Author:Masayuki Saraie
SARA PIANO

珈琲とピアノと猫をこよなく愛する

ピアノ調律師 更家雅之


楽器が求め、演奏者が求めるベストな状態へ

音の職人、更家雅之の日記や想い

ピアノや音楽、日常を通して出会う人たちとの 交流から日々考えさせられ思ったことを、日記を中心に更新中。


音楽はどんなジャンルでも大好きで聴くこと演奏することが趣味

音楽と歩んできた人生、辛い時、楽しい時、そばにはいつも音楽がありました。音楽によって救われた時期も。

そしてピアノを弾くと心が落ち着きます。

近年、調律や音楽が心に及ぼす影響を研究中。

音楽は心の世界への扉 、そして心そのもの。


ピアノ、音楽を通してこの時代に”心豊かに生きる”を実践しています。

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