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ピアノ考

2015.10.21 Wed

国産ピアノの性能はとても良いと感じるし、海外でも評価が高くヨーロッパなどでヤマハカワイの中古は驚くほど高値で取引されていることを大手輸出業者から聞きました。アクションの精度、反応が良く、made in japan の製品は壊れないのでコストパフォーマンスに優れている。

しかしながら芸術の分野での感覚的なもので言うと日本製にはないものを特にスタインウェイのピアノに感じます。

これはクルマと同様にメカニックとしてみたときに日本製にかなうものはないのだろうけど、フェラーリやポルシェの走る楽しさ、異次元な感覚が日本車には感じられないことに似ている。(聞いた話で私自身は経験ない^^; 年式などによっても違うらしい…)

本来芸術のための楽器が日本では教育のために広まった事もありその本質からは異なった独自な文化ができたのも影響は大きいと思ってます。

現代ではなんでも性能が良くなり人間に能力がたいしてなくとも扱えるようになってきていて車もマニュアルからオートマになりそのうち自動運転が主流になれば寝ていても目的地に着くようになる。

工業製品であるピアノも性能がどんどんよくなり鍵盤を押すだけできれいな音が容易に出るようになりました。

今回のショパンコンクールで国産の特にヤマハのピアノは誰が弾いても一定の良い音が出ていた。これは開発技術陣の苦労の結晶であり日本の誇らしい技術だと思う。
ベーゼンドルファーを吸収した事によりその技術を研究したのか数年前より音色がベーゼンドルファーに近くなってきたと感じるのは気のせいだろうか…

基音の美しさで聴かせるベーゼンドルファーはスタインウェイとは対照的でありピアノの個性が際立つ楽器。

対してスタインウェイは音色変化の自由度が高いので表現者である芸術家にはやはり受け入れられる。

スタインウェイは弾くとその演奏家の中身がもろに出てしまう繊細な楽器。

なのでコンクールなどでスタインウェイがいまいちに聴こえるときは演奏者がいまいちなのだ… (もちろん好みもある、特に音色を重視して聴いた場合による)

逆に調律と言う観点からみれば事情が異なり、ヤマハカワイの国産ピアノはもろに調律に左右されてしまうと感じる。つまらない音を作るとそのまま出るので調律師の感性と実力が問われる楽器と言え、その点では調律と調整次第でよくできる伸び代がある。

特に経験上カワイのピアノは手を入れれば入れるほどほんとに良くなる、けども放置したりよくない調整だともろに酷くなってしまう。状態の良いものは国産ピアノを超えるものがあると感じます。

ヤマハは平均的で手を入れずともある程度のパフォーマンスを発揮してくれる優等生。でもこちらも調律や調整次第で素晴らしい状態にもなる。つまらない音のヤマハが多いのは調律師のせいでもあると言ってもよいかも。
調律師もメーカーからそのように調律するようにと教えられるのである意味それがヤマハの音で正解なのかもしれない…

楽器としてはもっと潜在的な能力があると感じるので勿体無い話ですが。

倍音のあまり求められないポップスやマイクでひろう場面ではヤマハトーンはよい持ち味を出すと思います。

その点スタインウェイは器としての完成度が高いので極端な話調律しなくともある程度の音が鳴り、演奏者次第で音が作れてしまう。

もちろんスタインウェイと言えどつまらない調律ではつまらない楽器になるし、素晴らしい調律であれば最高の状態になるのは言わずもがなです。

日本にもあまり知られていないメーカーで素晴らしいピアノもあるし(あった)、昔のピアノで扱いは難しくとも芸術的な香りのするピアノもあります。

フラットに、偏らずに芸術に真摯でありたい、自分の感性に正直でいたいと思ってます。

その感性が鈍らないように、更に磨きをかけられるようにきれいなもの、美しいもの、風景や音楽、芸術、様々感性を刺激してくれるものに触れる努力をしたいものです。

現代社会で忙しくしてるとそれが自然にできないのが悩ましいところですね…

注 あくまで個人の見解であり絶対的なものではありません。現在の考え、感覚でありこの先変わる可能性は多分にあります。
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スタインウェイ、ベーゼンドルファー弾き比べ

2014.04.15 Tue

先日岡崎のグランドギャラリーさんにお邪魔してスタインウェイ、ベーゼンドルファーのピアノを弾かせていただく貴重な機会がありましたのでシェア致します。スタインウェイピアノは台数取りそろえてありましたがその中から一部をご紹介します。
演奏はさておき動画ではありますが音色を確認していただければと思います。


ベーゼンドルファー モデル200 - 1983年製


ベーゼンドルファー モデル200 - 1997年製


ニューヨークスタインウェイ オールドB型 - 1898年製


ハンブルグスタインウェイ B型 1986年製

ベーゼンドルファーを弾いてきました

2013.12.21 Sat

先日ウィーンのピアノベーゼンドルファーをホールで弾いてきました。

ピアノ好きと企画してホールを貸し切って思いきり弾くと言うなんとも贅沢なものですが、公共ホールの使用料がリーズナブルなところを仲間が見つけてくれたのです。



ベーゼンドルファーとはヨーロッパウィーンで製造されている高級ピアノです。




1828年創業。イグナーツ・ベーゼンドルファーさんが音楽の都ウィーンで始めたピアノ製造会社。

ウィーン学友協会に入居していて伝統的なヨーロッパのピアノ、一台一台手作業により一年以上かけて作られます。

最上位のフラッグシップモデルは290cmのボディを持つインペリアルと呼ばれるもので、鍵盤数を97鍵備えています。(通常88鍵盤)

今回のピアノは225cmのモデルですが、鍵盤数は92鍵。

低音側の弦が多く張られていて、それが他の音を弾いたときも共鳴して全体的に響きが豊かになるとのコンセプトです。

それだけの手間のかかっている楽器なのでもっと値段的な価値もあると思うのですが、インペリアルでも2千万ちょっとです。
もちろん私はそんな高価なもの買えませんが、ヴァイオリンの名器と比べれば値段の桁が違うので安いと思います。

材料や部品数はピアノのが桁違いに多いのに、、

それでもだんぜん高価なピアノですので経営的にはなかなか厳しいらしく(これまで製造されたピアノは5万台弱とヤマハの100分の1)2008年には日本のヤマハに買収されました。

http://boesendorfer.jp

http://www.boesendorfer.com




公共のホールにはコンサートグランドと言う長さ3メートル弱のグランドピアノがあるのですが大抵はヤマハ、カワイ、スタインウェイと言ったブランドが常備されてます。

今回のベーゼンドルファーがあるホールはあまりないのです。


普段あまり弾くことのないピアノと言うことで演奏者側からの新しい発見が多々ありました。

ベーゼンドルファーと言うピアノは私の印象は”鳴らない”と言うものですが、ほんとにヤマハやスタインウェイと比べて音が飛ぶ感覚が感じられません。

なにか力を入れて弾こうとすればするほど響かない、拒絶されるような感覚。

特にベートーヴェンはあの和音の響きがまったく活きてこない、倍音が出てこないので物足りなく感じるばかりでした。

ショパンやモーツァルトと言った単音での美しさが際立つ曲ではその能力がいかんなく発揮されていたかと思います。

イージーリスニング系のメロディが際立つものも、きれいにウィナートーンと呼ばれるベーゼンドルファー独特の音色が響いていました。


そして今回特に感じたのは、2時間経ってようやく楽器が鳴ってきたと言うことです。

それはベーゼンドルファーだけでなく他のブランドのピアノでも言えることなのですが、ある程度弾きこまないとその楽器の持つほんとうの音色は出てきません。

それまではほんとに寝ているかのようです。

弦からの振動が楽器の隅々まで伝わるのに時間がかかるのでしょうか。アコースティック楽器はまさに生き物ですね。



そんな気難しいベーゼンドルファーを鳴らすには、音をホールの端まで飛ばすにはどうすればよいのか?

今回私を含め参加したそれぞれが曲ごとに異なるタッチでピアノを弾いて、どうやら力をあまり入れずに響かせる弾きかたのがよく鳴る方向だと言うのをつかめました。

私が注目しているロシア奏法のような弾きかたであれば効果的に鳴らせそうです。



余談と言うか、一昔前のベーゼンドルファーの音色についての情報を聞く機会があったので参考までにシェアしたいです。
ある演奏家のかたが昔のベーゼンドルファーは今のものと違うとおっしゃってまして、何が違うかと言うと音色、タッチが異なると。


タッチは今よりもコントロールし難いものであったようで、なかなか思うように反応してくれなかったようです。

音色のほうは当時の音源を聴かせてもらえたのですが、その音色は今よりもダイナミクスがあると言うか、高音が華やかで中音はまさにベーゼンドルファー独特の音色これぞウィナートーンと言った感じ。低音は今と同じような深みを感じました。

全体的にパワーと言うかエネルギーを感じるもの。4、50年前のことになるかと思うのですが、ある時期から現代のような音色、タッチに変わったようです。

タッチが変わったと言うことはアクションが変わったと言うことで、それが音色にも変化を及ぼしたのでしょう。



現在は日本のヤマハの傘下にあるため、楽器自体今後どのようなものになっていくのか期待と心配が入り混じった気持ちでいます。

弾く曲がピアノによって選ばれてしまうのでなかなか受け入れられないピアノですが、個性あるピアノとして残っていって欲しいものです。

最後に横浜での楽器フェアで最新のベーゼンドルファーを指弾してきたときの動画です。演奏が素人で恥ずかしいかぎりですが・・ 最近のベーゼンの音色を確認できるかと思います。




  
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ピアノの耐震対策

2011.05.04 Wed

最近お客さんとの話題でピアノの耐震について聞かれることが多くなってきました。

ピアノはアップライトで200キロ超、300キロ~500キロ超の重量があります。


倒れて身に降りかかってきたらやはり大変です。

グランドピアノの場合は横型のため倒れることはありませんが、横滑りをおこし移動してくるらしいです。



また倒れることがないと言っても阪神大震災では本体を支えている脚が折れて倒れた(崩れた)ピアノもあったそうです。
通常ピアノの下にもぐっていることはまずないと思うので潰される心配は少ないですが、弾いているときは念のためにピアノからすぐに離れることです。



問題は一般的に家庭に多いアップライトピアノです。

このアップライトにはフレームと呼ばれる重い鋳物が設置されているのですが、これを含め重量のバランスが鍵盤からみて奥側(後ろ側)にあります。

なので部屋の真ん中にピアノを置いているような場合後ろにばたんと倒れます。


しかしほとんどすべてと言っていいくらいのアップライトピアノが壁を背に設置されています。このためたとえ地震の揺れにより後ろに倒れたとしても壁にぶつかり前に倒れてきます。



なのでピアノを弾いているときはすぐに離れることはもちろんのこと、弾いていないときもピアノの椅子を本体が倒れてきたときに支えることができる位置に置いておくことが重要です。


これは椅子を本体側の奥深く入れてしまうことなく、少し引き出して、本体が倒れてきても一度支えて倒れる位置です。


ピアノ椅子 地震対策
ピアノ椅子 地震対策 posted by (C)sarapiano

ピアノ椅子 地震対策
ピアノ椅子 地震対策 posted by (C)sarapiano


トムソン椅子の場合

ピアノ椅子 地震対策
ピアノ椅子 地震対策 posted by (C)sarapiano



これでワンクッションおけるため逃げる時間が稼げると言うものです。しかしこれだけでは心もとない。



一般的な対策としてインシュレーターを換えると言うものがあります。

インシュレーターとはピアノの足のキャスターが乗っているお皿のこと。あのお皿を丈夫な特殊仕様のものに換えるのです。


この耐震インシュはゴム製のものが多く振動を抑えることにより防音効果もあるのですが、掘りが深い仕様なので足がある程度固定され脱輪防止になります。底もゴム製のため横滑りに強いです。特にグランドピアノには有効ですね。

これらのインシュレータータイプの耐震グッズは様々に商品化されています。取り付けは専用のピアノを持ちあげる工具で行うか人数がいれば持ち上げての設置が可能です。

ただこれらのものはもちろん完全なものではなく、阪神大震災以上の地震がくれば例え耐震インシュをしていたとしても倒れてくるでしょう。その前に家の屋根が落ちてきたりしたらピアノどころではないですが。

ただ震度5くらいのものでした耐えられるでしょうし(もちろん揺れの種類にもよる)、震度7クラスでも倒れてくる時間を稼げる可能性はあります。


ピアノ耐震実験の動画ありサイト

各耐震インシュレーターの比較サイト



▼代表的なものはこちらになります


フトーゴムD(安全ベルト付)

UP用



GP用



ニュースーパーインシュ(UP専用)



ニューキャストップ敷板セット(UP専用)



スーパーピアノストップ 

UP用



GP用




人が多くいるようなリビングにピアノが置いてあるような場合はできるときに対策をしておいたほうがいいかもしれません。


あと耐震ではないですが(※)、インシュレーターによる音質の向上目的として開発されたものとして”スティムフューチャー”なるものがあります。

http://www.stimmersaal.com/06stmfuture.html

これは知人のブログでも紹介されていたため気になっているものですが、理論上効果が得られるものであると思っています。(未だ確かめていないが試したかたによればその違いは明らかとのこと。


”ピアノの音はその設置された床の材質や構造に大きく影響されます。 その原因の多くはピアノの音がその脚を通して直接床を振動させる、あるいは床の振動がフィードバックしてピアノを振動させる音の干渉によります。”

とホームページにも書かれているようにピアノの音は接しているものによって影響を受けるのです。

それはもちろん感覚的に判断するしかないのですが、例えば管楽器、弦楽器などでも同じ楽器を違う人が弾けばその人なりの音が出るのを想像すればわかりやすいと思います。

もちろん個々の腕前などの要素が関係してくるので一様には言えないですが、それだけではない身体的なものも影響を与えていると感じています。


以前mixiのなかでも内輪で話題になったのですが、ピアノの鍵盤をネコが叩いたときと人が叩いたときにまったく同じ強さであれば音色の変化はないと言う議題についてもこのスティムフューチャーなどの音質向上グッズが具体的に答えを出してくれるでしょう。


※追記 スティムフューチャーですが、耐震の効果もあるようです。阪神大震災のデータをもとに耐震実験もされたとのこと。更に詳細があきらかになればご報告いたします。



今回の震災では津波の被害が主だったためこのような対策もあまり通用しなかったかもしれません。流されたピアノも多数あったことでしょう。

再びこのようなことがおきないように祈らずにはおれません・・






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ヤマハ電気ピアノ調律・調整

2011.03.10 Thu

先日名古屋市内へ電気ピアノの調律へ行ってきました。

このブログでも度々取り上げているこの”電気ピアノ”。

今は製造されていないピアノなのですが、その昔大手楽器メーカーさんから販売されていました。



その特徴としましては電気的に音を増幅する楽器でありながら、中にはアコースティックの普通のピアノと同様に弦が張られアクション機構も入っていると言う点です。


一般的なピアノとの違いは弦数が少ないこと、響板がないことなどがその大きな特徴です。

代わりにスピーカーやリバーブなどが付けられるスイッチ類が付いていたりします。


あとハンマーがフェルトではなく皮でできていてそのまま叩くと音量がかなり小さいです。


電気ピアノ内部 弦およびハンマー付近
電気ピアノ内部 弦およびハンマー付近 posted by (C)sarapiano

電気ピアノ内部 アクションパーツ類
電気ピアノ内部 アクションパーツ類 posted by (C)sarapiano

電気ピアノ本体下内部
電気ピアノ本体下内部 posted by (C)sarapiano



■ヤマハ電気ピアノ E-502


製造年 昭和55年~昭和60年

鍵盤  : 88鍵


音色加工機能ツマミ

・VOLUME
・BASS
・TREBLE
・TREMOLO
・SPEED
・DEPTH


ペダルの数 : 2 (ソフトペダル、ダンパーペダル)


寸法(約)

幅:145cm

高さ:117cm

奥行:55cm

重量:150kg前後



今回は電気屋さんを経営されているかたからのご依頼でしたので安心(?!)してお伺いできました。

電気部分以外は普通のピアノと大差ないので対処できるのですが、電気部分の不具合(音が出ないなど)があると修理が厳しい状況なのです。

その分野もこれからは時間の許すかぎり工房のほうで勉強していこうと思いますが、基本的には何事も専門家にお任せするのが一番ですから。


この電気ピアノ、さすが世界のヤマハなので音が出ないと言うことは今までないのですが音色変化のツマミをまわすとガリ音が出たりと言うのはあります。古くなったオーディオのつまみがガリガリ言うのと似てます。


調律をしたらスピーカーから増幅されて出てくる音もきれいになります。

動画を撮らせていただけましたので音色をお確かめください♪




今回はこれから弾いていくお子様のために手に入れられたと言うこの電気ピアノ。

タッチはアコースティックピアノと大差ないのでいい練習になると思います。音量が調節できるので普通のピアノ並に出して練習したり、夜はボリュームをしぼったり、電気を切って指の練習用に使うなど使い方はいろいろです。

クラシック以外の音楽を楽しみたいようなときはツマミのスイッチを入れてリバーブをかけたりしてオルガンのような音色を奏でるのもいいですね。ジャズなどに合いそうな音色です。


使えるものは大事に使っていきたいと言う思いのオーナーさん。そのお手伝いができてとても充実感がありました。作業中も熱心に見てられてその思いが伝わってきました。ふたりのかわいらしいお子さんにも喜んでもらえ嬉しかったです(^^




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